舞台『薔薇と白鳥』が楽しみすぎて
八乙女光は舞台の人だ。
とタンカをきってはみたものの、私は彼の舞台を見た事はない。
だから、予想。
八乙女光は舞台の人だ、ろう。
これが正しい。
だけど私はあえて言おう。
八乙女光は舞台の人だと。
なぜか?
彼が4年前に出た舞台『殺風景』の舞台レビューを読んでいて私はそれを感じてた。
誰も八乙女光を「光くん」として見ていない。
そこに出てくる役の名前の人間として。
そして、そこに生きてる一人の人間として。
八乙女光個人への感想は不思議なほどにない。
みんなのこころを揺さぶる舞台の一部として彼は息をしているだけで。
彼がずっと抱えているあのさびしさは一体なんなのだろう。
細い身体?金色の髪?伏し目がちな瞳?
そんな表面的なものが原因だろうか?
彼を見れば見るほどに感じるこのさびしさは。
私はその正体を確かめに、彼の舞台を見に行く。
そう、彼の『薔薇と白鳥』。
この舞台の発表があった時、彼自身も言った。
演技の場として一番好きなのは舞台だと。
舞台をやりたいとうずきはじめていたと。
まだ幕は上がらない。
でもその時が来れば、みんなが息をひそめて彼を見ている。
八乙女光に似たマーロウという男を。
その時、彼は何を見ている?