嗚呼、それにしてもイケメンの無駄遣い(映画『帝一の國』感想)
高校時代は、青春時代だ。誰も異論はないだろう。
だけどそのことを彼ら自身も意識していて、高校入学と同時に「青春しようね」と自分たちで確かめ合うのには違和感を覚える。そう、それは自分で自分のことを「私って天然だから」と言っている人を見ているのと同じ気持ち。意識してしまったらオシマイ感。
どうしてそんな意地悪な気持ちになってしまうのか。その理由がこの映画を見て分かった気がする。
多分「青春」は「夢中になること」と同義語だ。この要素を満たさなければ青春とは言えない。おそらく帝一は気がついてはいないだろう。夢中になっているその時間がよもや青春だなんてことには。ましてや周りにいるライバルたちが生涯の友なのだということには。一生気が付かないかもしれない。だけどそれこそが本物だ。
バカバカしい日々をバカバカしい仲間と、本気で、必死で、もがいて生きている。
そういう者に青春の女神はいつだってほほえんでいる。