ヘイセイラヴァーズ

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インタビューかえるくんについて(短編小説feat.『かえるくん、東京を救う』)

 おう、俺はかえるや。正真正銘、どっからどう見てもかえるやで。え、わかってるって?なんや、それならなにしにきたんや?おおう、わかってる、みなまでいうな。俺に取材したいんやな?かえるの生活、梅雨以外はどうやって暮らしてるかってな?それきになるっちゅう若者多いねん。なにしてるゆうてもなあ、人間さんみたいに本読むだの音楽きくだのくだらないことぐだぐだ考えるだのできへんもんなあ。あ、今シャレなの気づいてくれはった?かんが、え、る。ははははははは。は~、気づいてたんやったら笑ってくれへんと。

 人間さんっていえばなあ、こどもさんがたはこわいなあ。このまえもとっ捕まえられて足引っこ抜かれそうになったもんなあ。おとなさんはわりと親切にしてくれることが多いんやけどな、こどもはダメや。なにいっても聞いてもらえへん。俺たちにとってこどもさんがたに会うのは天災みたいなもんでな、まずつかまったら終わりやと覚悟せな、神出鬼没やしなあ。まあ俺は機転がきくからな、隙をついてジャンプしたんや。かえるの一世一代の大ジャンプ、お前にも見せてやりたかったでほんま。

 え?そのことが聞きたいんじゃないって?あああああ、かえるくんのこと。俺の耳にも入ってるで。え?かえるに耳なんかあるんかって?そんなせっしょーな、あるに決まってるやないか。なきゃどうやって今会話してると思うとるんや、ほんましょーもない。

    で、かえるくんなあ。気の毒なことやったでほんま、みみずくんと戦ったんやろ?えらいことやなあ、なんでそんなことしようおもたんやろなあ。げろ。でもな、ここだけのはなしなあ、かえるくんは正直かえる界では浮いてたらしいで。ほら、あの大きさやろ、あの話し方やろ。えーかっこしいやって悪く思ってる奴らもいたみたいや。俺はけっこう好きなほうやけどな、かえるくん。

  おおおおっと、もうそろそろいかな。え、どこっておどりに行くに決まってるやないか。昔からかえるはおどるもの、知らんのか人間のくせに。ちょうじゅうぎが、見たことあるか?おれもおまえも神さまの前ではみな平等。おどりつづけるのが生き様なんや。神さまってのはなあ、コスモスやで、コスモス。勉強しろ、人間さんよ。

 げええこ、うぐっく、げえええええええこおお、うぐっく。

 いまいくで。はなしの途中でごめんやで。じゃあきいつけてな、おたがいな。