ヘイセイラヴァーズ

本、舞台、映画、歌、短編小説、エッセイ、アイドル、宝塚歌劇、など、、、☺

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ページを開かなければ誰も知ることはなかった(小説『君の名前で僕を呼んで』感想)

「映画を見る前に読むべきか、映画を見てから読むのか、どちらがよいのか誰にもわからない。」 帯のこの惹句は正しいと思うが、映画を気軽な気持ちで見てしまった私は、選ぶ余地なく原作の小説を映画の後に読むことになった。映画のエリオはその美貌を大きな…

アラサーOL、花晴れにハマる(ドラマ『花のち晴れ』感想 前編)

道明寺とつくしの恋にあこがれて早十ウン年。花男は私たちの恋のバイブルだった。大人になったらあんな恋が出来るんだと思っていた。 だけど小学生だった私たちは彼らと同じ高校生時代をあっという間に過ぎ、気づけば花男のセカンドシーズンを眺めている。長…

旅行について(エッセイ①)

旅行が嫌いだ。その一言を言いづらい世の中だ。そんなことを言う奴は非女子だ。非国民であり非地球人だ、もはや。このグローバルな世の中では。 戦争になんか行きたくないと言えなかった若者たちの気持ちがよくわかる。(それはオーバーか)圧倒的なムードの…

とりあえずちゃぴちゃんのグッディポーズに乾杯!(宝塚月組『カンパニー』『BADDY』感想)

「もう男女の恋愛だけを描く時代ではないのかもしれないな。」 舞台上で社長(綾月せり)はそう言った。そんなのもちろんだ。 性の曖昧さはずっと昔から人を魅了する要因となってきた。今に始まったことではない。それは例えばこの舞台の根幹をなす、美弥る…

夢をあきらめない(セクシーゾーンライブ『repainting』感想)

私にはその日、使命があった。 それは松島聡くんにBL映画の出演依頼をすること。 ことの経緯は数日前にさかのぼる。 その日私は、映画『君の名前で僕を呼んで』を見ながら飲みかけのコップをぐしゃりと握りつぶした。これを日本で撮るとしたらエリオ役は絶…

桃と恋の関係性について(短編小説)

その夏の夕方、僕がバイト終わりで店の裏の出口を出ると、先に上がっていたその人は外の階段に座って桃を食べていた。水色のタンクトップに、短いジーンズを履いて、垂れた桃の汁がつかないように思いっきり足を広げて。 長い髪を後ろに流し、桃の皮を手で…