ヘイセイラヴァーズ

本、舞台、映画、歌、短編小説、エッセイ、アイドル、宝塚歌劇、など、、、☺

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

冬がはじまるよ(エッセイ⑦)

「冬がはじまるよほらまた僕のそばですごく嬉しそうにビールを飲む横顔がいいね」という歌を私は寒くなってくると必ず、居酒屋で家で、相手に横顔を見せつつビールを飲みながら自分で歌う。毎年のことで周りの人たちはいいかげん嫌になってきていると思うけ…

その微笑みはまるで(宝塚宙組『異人たちのルネサンス』感想)

真風涼帆の歌声を聴くと涙が出そうになる。 自分の思いをあまり言葉に出さずに、いつも素敵な微笑みを浮かべていて、そうやってそこにいることがみんなにとって当たり前のような、物静かなトップスター。 彼女は今までも、これからもどんな思いを自分ひとり…

チョップスティックの夢(短編小説)

国道をひたすら北に車を走らせて、真夜中過ぎに道路沿いのレストランに入った。なんでもないチェーンのファミレス。オレンジ色の電球の上のほこり、原色の文字が光る看板、少し油っぽいソファ。店員はメガネをかけたバイトの若い男の子ひとり。私たちは壁に…

モテるということ(エッセイ⑥)

恋愛ルールブックを侮るなかれ。 『上級小悪魔になる方法』という本を読んだおかげで、私の大学生活はまずまずモテたと思う。例えばイケメンの先輩と古着屋さんデートをした。男友達に夜道で突然手をつながれたり、「幸せにするよ」という世にもキザなセリフ…

私もいつか彼を求める(宝塚『エリザベート』感想)

私は『エリザベート』のいったい何にこんなに惹かれているのだろう。 黄泉の帝王トートへの憧れ?爛熟したハプスブルク家の悲しい滅亡?民衆たちの圧倒的な怒りのエネルギー?そのどれもであり、また、そのどれでもない。 きっとそれは、出てくる人々全員に…