ひとまずエピローグ。ヘイセイラヴァーズ。
「お姉ちゃんは、恋が好きなんだね。」
このブログを読んでいる妹からのこの一言は、さすがにガツンと来た。さすが妹。同じ腹から生まれただけのことはある。そう、私は恋が好きだ。このブログを書いていて自分でも初めて知った。
いや、もっと正確に言おう。私にとって恋は必要不可欠なものだ。かといって私がめちゃくちゃモテるとか隠れビッチだとかそういうわけではもちろんない。退屈な授業、ストレスフルな仕事、重い現実にしばしば息が苦しくなるたびに、私は恋を麻酔として使ってきた。隣のクラスの男の子、小説の主人公やアイドル。その時々の相手に恋をして夢中になり、虚構の世界に逃避することは、私にとって現実を生きるすべだ。それがなくては乗り切れない時間が、確かにあったのだから。
私にとっての恋とは相手についてあることないこと想像(妄想)することだ。そうだとしたら、愛とはなんだろう。それはきっと重い現実そのものだ。自分の作った想像ではなく、生身のそれを直視して夢から覚めなくてはならない。そんなことが本当に私に可能なのか?
ヘイセイラヴァーズ。
時代は変わり、恋人たちも変わっていく。
私はこれからも恋をするだろう。たくさんの物語に、昔の記憶に、自分の頭の中の世界に。だけど、愛も知りたいと思っている。自分以外の世界もちゃんと見たいと思い始めている。
恋と愛のあいだ。今はまだその場所で、もう少しだけさまよっていよう。変わり始めている世界の、ある部屋の中で。